「またですか」
「ンだよまたとは。つーかまたはこっちのセリフだバァカ」
「それどういう意味ですか一方通行さん。貴方の言ってる意味も一方通行すぎて私には理解できませんです」
「それはお前の頭が悪いからじゃないのか」
「なんか言いましたかこのアルビノっ子」


真っ暗い夜。土ぼこり。
流れる赤い血。遠くの遠くのほうでは、腕の折れた人が倒れているのが見える。
この平和な学生都市で、平和とはかけ離れた風景。私は大方そんな位置で存在している。
といっても別に私自身が裏社会に生きてるとかそんな意味ではなくて、どちらかといえば巻き込まれたというほうが正しい。その元凶がこの
「俺様無視して何考え込んでンだよさんよォ?」
「この俺様アルビノうさぎちゃんに会ったせいで私の人生変わっちゃったなーって振り返ってただけですー」
「誰がアルビノうさぎちゃんだ、誰が!」
白い頭の赤いおめめ(私と同じ目の色だ)、アルビノうさぎちゃん(これは私が勝手に呼んでる(そしてそのたびなんか飛んでくる)・・・こと、"一方通行"こと、学園都市で7人しかいないレベル5の1人で、第1位の一方通行こと、・・・あれ、

「あれ、私一方通行さんの本名知らないまんまじゃん」
「あ?まあいいだろ」
「ごめん、刺していい?」
「お前みたいなのに出来るわけねェだろ貧弱。俺は最強だぞ」
「あーはいはいはいはいわかりました。ところでオニーサン大丈夫ですか?」
「え・あ・・あ・・?」
私は支えていたオニーサン(もうおじさんかもしれない)を地面において話しかける。
「状況理解できて無いみたいですけどとりあえずわかったらお仲間さんにもこの人に手出しちゃダメだって伝えておいてくださいねー。このアクセラレータさん凶暴ですからー。ほら目つきもわるっ・・・いたいいたい!アクセラレータさん痛いです叩かないでください!」
「つーかおい何お前そいつ助けてンだよアホか」

そうです。とりあえずこの銀髪赤目が反射した不可思議ビーム(超能力っていうらしい)が見知らぬオッサン、というか出した本人に当たりそうだったから軽く助けてみたりしたわけですはい。そしたら赤目に怒られました。叩かれました。本当にこの人女性の扱い!知らないな!

「ってことでもう手ぇ出さないでくださいですよーお仲間さんにもよーくお伝えくださ」







「オイ!この銀髪ヤロウ!止まれエ!」



私に突きつけている手はさっき衝撃波を出した手の平だ。
まあ、つまるところ、人質になりました。
えっなにこの状況ちょうめんどうくさい。そしてやばい。何より、目の前の、


「あのですねえオニーサン、私を人質にするとかまじでやめといたほうがいいと思うんですけれど」
「あァ!?引っ込んでろこのクソアマ!」


銀髪の某お方からものすごい殺気を感じるんです。ああ、こわいこわい。





「おいてめェ」




てめえってどっちのこと差してるのかしら。あたし?それとも後ろの彼?
あらやだ殺気が痛い。


「アクセラレータさんもしかして私のことも殺そうとなんてしてな」


がくん、と
体に負荷がかかる。

後ろの人間の意識が、消えたのだ。どう考えてもそのせいで、私の首も重力に引かれてひっぱられ


「とっととそっから脱け出せよバアカ」
「ひぐあッ!」
「もうちょっと色気っつーもンは無いのか」


ナイスキャッチ。
色素の薄い、細い彼の腕が、私を受け止めてくれている。
体が軽い。多分、重力から調整しているのだろうけど あの ちかいです。

「アクセラレータさん、筋トレしようよ。そっちのほうがかっこいいよ。」
「あァ?落とすぞ」

やばいやばいほんとうにおとされかねない。
あわてて私は自分から地面に足をつけようと下を見ていたせいで、



「あっちょっ重力戻してくださっ・・・んう」


私は近くに迫った彼の顔に、気づかなかったのでした、と。


「・・・・・重力戻すぞ」
「えっ?・・・ひゃあああっ!」



・・・尻打った。痛い。
まじ容赦ないこいつ。




















「つーかマジで、何で助けたンだよ、ンなやつ」
「えーだって、あそこで全員ぶちのめしてたら、確実に敵意しか向かなくなりますよ?
 向こうからやってきたのに、正当防衛とかそういうのなしに一方通行さんの悪評しか周りに広まらなくなっちゃいますよ。」
「俺はそれでかまわねーっつーの」

むっ。

「つーか前も言ったけどよォ、俺基本的に生きるのに必要な物質以外、遮断してっから。
 つまりお前の好意も遮断してっから。」

むむっ。

「つーわけで俺は帰る。お前もどっかいけ」




かっちーん





「あたしの!怒りの!ベクトルまで!かえられると思うなあああああああああああッッッ!!」

「あーうるせうるせ。余分な音は遮断っと」

「人の話をっ!聞けえええええええええええっっ!!」






印協奏曲→

(だけど結局、一緒にいる私たちなのであった。)(い、一方的じゃ、ないもんね!)



うちの夢主はトリップっ子なので超能力何それおいしいのな子です。
にしてもよく言いたいことを止められる子だ。