「で、なんであんたがここにいるのよ」
「それはこっちのセリフですね。なんであなたが僕より音無さんの近くにいるんですか」
「いや意味わかんないから。なんなのあんたってヤンデレの部類だったの?」
「ああ、忌々しい・・・目の前の赤スカートが音無さんの髪の色と似ているのが更に忌々しい・・・」
「おい声に出てんぞ」
「音無君、すごい奴に好かれたわね・・・」
「・・・わかってくれるか、この苦労」
「苦労?何かあったんですか音無さん!僕でよければ、相談に乗ります・・・!」
「いや理由は主にあんたでしょ」
「そんなわけないだろう、貴様、音無さんに何をしたんだ!」
「まず直井は人の話を聞くことを覚えような」
「はい!なんでもします、音無さん!」
「いつまでやってんのよ洗濯バサミ」
「洗濯・・・洗濯バサミは万能・・・万能は正義・・・正義はただしい・・・つまり俺より・・・」
「さん、音無君の記憶で遊んでる間に日向をどうにかしてくれないかしら」
「遊んでる!?ちょっとお前ら、俺の記憶で何する気なんだ!」
「あたし?なんで?」
「そりゃあ勿論音無さんの記憶をちょちょいと改造して僕と・・・きゃっ」
「そりゃあ・・・」
「きゃっじゃねえよ!直井の頭からどうにかする必要があるだろ!」
「ちょっとあんたたち黙りなさい」
「すいませんでした」
「貴様・・・また命令を・・・あいいたたたすいません音無さん!」
「うん、で?」
「なんなら今日一日貸すから、日向をどうにかしといてちょうだい」
「どうにかっていうことは屋上から突き落としたり串刺しにしたりスパルタ教育したりとか?」
「スパルタ教育・・・!?さんっ是非是非ユイも参加させてくださいっ!」
「なんなら脱がせてもいいわ」
「いや、さすがにそれは遠慮しとく・・・うん、とりあえず催眠術から開放したげないとねー」
「はっ・・・貴様ごときに僕の催眠術が解けるわけ・・・」
「ひーなったくーん はい、目ぇ覚ませ!」
ぱちんっ!
という大きな音が目の前でして、俺が洗濯バサミについて考えていたのが中断される。
「あれ、じゃんか・・・っていうか、あれ?なんで俺洗濯バサミのこと熱心に考えてたんだ?」
「洗濯バサミに恋でもしてたんじゃないの」
「浅はかなり・・・!」
「さすが先輩、悪趣味!」
「さてと、じゃあ引きずり回してくるとしますねー」
「おいまて!その前に俺と勝負しろ!」
「野田!俺の邪魔すんじゃねえよ!」
「・・・え?うそ、そんなに引きずり回されたかったの?じゃあユイちゃんに頼めばいいんじゃないの?きっと喜んでやってくれるはずだけど」
「もっちろんです!じゃあ先輩かるーく亀甲縛りで!」
「軽く亀甲縛りってなんだよ!意味わかんねえよ!俺はなと・・・ って何言わせんだよ!」
「勝手に言ってるじゃん」
「見事な自爆だな」
「YoHo!」
「うわあ・・・バカがいる・・・」
「あさはかなり・・・」
「、顔赤いぞ」
「・・・っ」
「え、えっ・・・そう?」
「っ!逃げるぞ!」
「え、なに、え?」
「いいからっ!」
「・・・Check it out!」
「あれ、なんであの二人逃げたんですか?」
「けっ、ほっといてやれ」
「おうおう 奥手なんだか積極的なんだかわからないな」
「ユイも見にいきたいですー!」
「まあまあ、二人きりにさせてあげようよ。僕もちょっと気になるけど・・・」
「監視カメラで追いかけましょうか?」
「さすがにそれはやめてやれ竹山。それにしても、見事な自爆だった・・・」
「だから僕のことはクライストと・・・」
07.かませ愛の逃避行
会話文は書きやすいですね