私たちの活動時間は夜が多い。まあそれは周知である。周知とはいってもまあ、私たちと同じく暗部の人間だから、類は友を呼ぶ、的な。うーん、今更私たちに普通の一般人を求めるなんて割と無理な相談だそうだ。一方通行にとっては。私は別に気にしなくてもいいと思うんだけどね。だからね。
割と普通の高校生がやるようなことを、
してみ…いや、させてみようと、思ったのだ。
突然ですけれどね。
ブルセラショップ行くまでも無く、私は中学までは普通に通ってたから、持ってるんですよね。セーラー服。
ぶっちゃけメイド服でもよかったのだけれどあいにくそれは持ち合わせがなかった。
「高校生ってさ」
「あン?」
「女装好きだよね」
「・・・はァ?」
「いやさあ、文化祭とかで男子が女装するじゃん。もうあれほとんど定番化してると思うんだよ。まあネタだよね、あれは。うわーまじないわーとか、寧ろ可愛いとか、ゲテモンとか、足細ぇーとかね」
「・・・何を語りだしてンだ・・・?」
「マニアックに首輪とかつけてやりたいなーそのうちっていうわけで
着 ろ 」
演算装置を入れなければ、力で一方通行が敵うはずがない。押し倒そうがなにしようがやりたい放題である。えへへ。
「ほら観念しろ!自分で脱ぐか私が脱がせるかどっちがいいかお答えなさいっ!」
「ば、バカじゃねェのお前ッ・・・!今何時かわかってンのか!?約束の時間まであと3分だぞ!?」
「一方通行が1分で早着替えすればすべて解決するじゃない」
「おまッ、マジ信じらンねェ・・・!」
「冗談だよ早く準備しなよ」
「(・・・あと数秒押し倒されてたかったのによォ)」
「ふざけた事言ってないでさっさと準備しやがれ一分一秒が勝敗左右すんだよ」
「・・・・・ハイ」
準備とはいっても大したものは無く、せいぜい私は安全靴を履いて(20秒以内)、武器を装☆着・・・いや、準備して、
その後、一方通行を引きずり回すだけである。
でも約束の場所まで片道2分かかるのである。
結論的に言うと大ピンチなのである。
でもそんなに重要な任務じゃないので問題ないのである。
嘘でした。
大問題でした。
二秒遅れたら、警護の方々が来てしまいました。いつもどおり例のあの黒服共です。殺してる側が言えることじゃないけどこいつら本当に代用可能なんだなあと思えてしまう。皮肉なことに。あの赤い"人類最強"や、戯言使いですら"代用"されたのだから、本当にこの世界は代用できる者で埋め尽くされているのだろうかと、ね。まことに残念であるってそんなこと考えてる場合じゃなかったよ私。一方通行はどこへ消えてしまったのやら。ちくしょう首輪でもつけておくべきだったかな。あ、もうチョーカーついてるから無理か。でも心配だなああいつ30分しかもたないからなあ。
「あのえっとお引取り願いたいのですけれど」
「・・・」
「聞いてないですよねーですよねー聞く耳もたずですよねーまあ知ってたけど」
「・・・」
「あのさ」
私は厚手の手袋をつけた指先を、小指から少しずつ、握りこむ。
部屋中に張り巡らせた糸を、意図を少しずつ、すこしずつ、巻き込んで、 ぴん、と張った。
「いきなり拳銃向けたっつーコトは、殺されても文句言えないよね」
「アーアーアー」
後頭部をわしゃわしゃと掻きながら一方通行は前を見据える。が対峙していた相手とは違い、一方通行の前には白衣を着た男、しかしあの木原数多とは対照的に、研究熱心であるということが姿からにじみ出るような、そんな人間。明らかに、一方通行と対峙するような人間では、なかった。
「はどっこ行きやがったンだろォなァ。てめェら知らねェか?」
「・・・」
「返答無し、かよ」
「一つ教えてやろう」
「あン?」
「は、 」
「・・・」
「またでた」
「・・・」
「で、」
「・・・」
「そっかそっか、まあそれが普通の反応だよね。でもさお前ら知らないみたいだから私が懇切丁寧に教えてあげると私のいた世界じゃプロのプレイヤーっていうのには銃弾がきかないんだよね、ライフルは無理だけど拳銃ぐらいなら避けられるっていうのがそもそもの必須スキルなんだよ私たちにとっては。序列第三位の零崎ですらノーマルなんだよ。寧ろステータスっていうのかなこういうの。だって出来なきゃ死んじゃうもん。即死だもん。使い物にならないただの欠陥製品として処分されるような世界なんだよ殺し名っていうのは。そんでだ、あんたたちは私を殺すのかな?」
「・・・」
「沈黙は肯定とみなすよ。そうか、私を殺すのか。そんときってさあ、やっぱふつうのひとは”こいつを殺す”ってことを考えながら殺すのかな?ああ、これただの好奇心から聞いてるんだから出来たらこっちは答えて欲しいのだけれど」
「・・・」
「敵なら殺すことも厭わない、って顔してるね。じゃあ答えさせていただくよ。私も厭わない。あんたたちが一方通行を傷つけるなら、打ち止めを傷つけるっていうならあたしはあんたたちを殺す。殺す。完膚なきまでに殺して解して並べて揃えて晒し尽くす。金輪際わたしたちの邪魔をしないって言うならあたしはあんたたちを見逃すよ。だからそこをどいてくれると嬉しいんだけどな」
にこり、とが、笑顔を向ける。
そのなかで、目の前の、スーツの、女性が、 にっこりとわらった。
「嘘吐き」
「・・・ハァ?お前頭沸いてンじゃねェの?が、」
「事実ダヨ、ダッテ僕ガ言ウンダモノ」
フルフェイスのガスマスクに、ボイスチェンジャーで変えられた声。
一方通行から、言葉を発する者が何者かなどと、分かるはずも無い。
それ以上に-----------彼は動揺している。信じる者の真実を告げられて、動揺しないものなどいない。ましてや彼女が不死身のような存在であることや実験体として生きていたこと、そして何より、彼女が、殺人鬼であることを告げられて。動揺しないものなど-------------------と、ここまでが、研究員の考えていた、シナリオである。
対して、一方通行の反応は、
「そォか」
という、短い言葉のみだった。
「え、」
「ウソツキ、って言ったのよ」
「今までの質問全シカトして初めて言った言葉がそれってどうなのよ大人サン」
「私たちを逃がす気なんて無いでしょう」
「さあどうかな」
「・・・殺すんでしょう、私たちを。ならば私たちも、あなたを殺すだけよ」
は。
はっ、としたように 言葉を切って。
「・・・殺すとか殺さないとかそういうレベルで考えてるから、素人なんですね」
なるほどなるほど、と。心底納得したようにうんうんと一人で頷いて。
「なるほどね、あなた方は殺人鬼としては三流以下です。でもそれが、あんた達を人間っていう区分に留めてるのですね。戯言ですね------------分かりました。殺さない理由が無くなりました。死んでください。」
わたし、はやくあの人のところに行かなきゃならないんです。殺す理由も出来ました。そう言って、は得物を、構えた。
「アイツは俺のモンなんだよ。が人殺しを好ンでやってるわけじゃねエぐらい俺にも分かンだよ。ただ必要だから殺してンだ。アイツにとっては生きていくための活動にしかすぎねェんだよ。お前、分かったような口聞いてなンにもわかってねェよ。さっき実験体に引き戻すとか言ってたよなァ・・・知り合いが多いのは仕方がねェから大体は我慢してやってるが、キスしていいのも触れていいのも抱いていいのも愛していいのも俺だけだ。甘くなンのもアイツだからだ。だから、」
テメェらなンかに、渡すかよ。
ガスマスクの研究員に一言挟むことすら許さず、一方通行はそういったのだった。
結果として、3秒後にはガスマスクの研究員は、地面に伏すこととなる。
「あーいたー」
「終わったか?」
「ん、終わった」
「そォか」
一方通行の返事を聞くと、は唐突に、一方通行に抱きつく。
「オイ何してンだ」
「充電中」
「家でやれ」
そういいながらも、一方通行はの背中に腕を回す。
「ツンデレータ」
「黙れ。充電中だ」
頬を寄せて、静かに、一方通行はの首もとに、顔を埋める。相変わらず、血の匂いは、しない。
結論的に言えば見た目は私たちは、普通の高校生と変わらないということだ。
だけどそれは見た目の話。だからこそ私たちは、普通の高校生には出来ない恋を、するのかな。
恋する
こ
と は
堕
ち
る
こ
と
で
す か
「そのうち爆発して監禁しねェといいンだけどな」
「ん、なんかいった?」
「別に」
暗っ!そして怖っ!なんか、うん、ごめんなさい・・・1000HITお礼がいきなりこんなんでごめんなさい・・・最初はわりとさんが一通さん押し倒して女装させてそのまま任務直行で制服姿でやーうぇーい☆とかいうネタ的なもの書いてたのにあ、あれ・・・どうしてこうなった・・・。ありがたきリク一人目の理也様に捧げるほどのものが出来なかったのですけれど私はどうすれば・・・こんなものでよければ貰ってくださると嬉しいです